絹の着物を自分で洗うチャレンジャー

先日オークションで落札した単衣の白い紬。大島だって言われたんだけどホントかなあ?確かに良くある大島風の柄ではあるんだけど、白大島ってすっごく高いものだし、そこまでの上物ではないような。

スッと伸びた若竹の図柄で単衣だし、色合いからも初夏にはもってこいよね。今年着るにはちょい遅いので来年か、それとも秋に待ちきれずに着ちゃうか。
しかしこの着物身幅がアタシにはちょっと狭い。裄も紬は柔らかものよりは短めでも良いけどそれでももう1〜2センチあると嬉しい。ので単衣だし自分で解いて縫い直しました。和裁なんて正式に習ってないのに!
そいでもってそれほど汚れてはいないんだけどやっぱ古着をそのまま着るのは抵抗あるし、保管臭も気になるのでクリーニングに出そうか迷ったけど、単衣だし思い切ってハイベック*1 でホームクリーニングしちゃいました。畳んで洗濯ネットに入れて洗面所で10分程つけ置き洗いし、最後に手で軽く押し洗い、3回水を替えてすすぎ、仕上げ剤使ってから絞らずそのまま風呂場に干して生乾きのところで晒を当ててアイロン。元々そんなに汚れてはいなかったんだけど、洗ったらピカッと真っ白に!絹の照りで光って綺麗〜!
気になっていた古着臭も抜けました。巾出しをしたので以前の縫い目のとこにスジが残っていたのもかなり目立たなくなったし大成功!
縮まないかが一番の心配だったんだけど、それも大丈夫。
アタシが家で洗ってみようと思ったのは単衣だったってことも大きく、裏付きの袷だったら裏地と表地で伸縮率が違うから突っ張ったり裾が弛んで袋になったりしかねないし、アイロンで死ぬと思ったんだけど、単衣だったら基本は浴衣と同じじゃない?(違いますかね?)
もちろんこんなチャレンジャーなこと普通の人はしないですよ。これ読んでやってみたけど上手く行かなかったとか言われても困るのでそこんとこよろしく。
大島って泥の中で染めて何度も水に通して仕上げるから実は水洗いが出来るとの話は聞いたことあるんだけどこれホントの大島?なーんか生地が厚くてしなやかさが足りなく感じるんだけど。端っこの糸を焼いて確かめたので絹なのは間違いないんだけどさ。
世の中にはいわゆるなんちゃって大島も多いからなあ。
アタシの持ってるこの着物

は結び糸をして織って貰ったもの。結び大島って今は聞かないよね。結び糸って知ってる人あんまりいないようなので説明すると短い糸がビニール袋に入った状態で売られていてこれを一本ずつ結んで長い糸にするの。んでそれを横糸にして縦糸と併せて織るわけ。大島以外にもアタシの出身地の名古屋では結び糸で帯や着物を作って娘の嫁入り道具に持たせる風習があったので、アタシも帯や着物をいくつか作って貰ったの。この着物は亡き父がアタシの為に結んでくれたもの。多分一カ月くらいかかってたはず。いかにもシブチンだけど嫁入り道具にお金を掛ける名古屋流にぴったりよね。普通に作るよりは安いし、一本づつ手で結ぶことで(娘の縁を結ぶ)幸せを祈る気持ちもあり。しかしアタシってばこの着物一度も着て無くて未だに仕付けが付いたままだったり。ごめんなさいお父さん。
結び糸では振袖や留袖、訪問着なんかも作れます。我が家のお隣の娘さんはおばあちゃんが結んだ糸で振袖を作って貰ってました。
今ではする人が少なくなったようだけど、それでも名古屋ではそれ専門のお店が残っていますよ。
松本糸舗さんhttp://www.matumotoitomise.com/