ジョゼと虎と魚たち(多分ネタバレは大丈夫のつもり)

ジョゼのうさぎ

先週末から公開の映画すっごいヒットらしいじゃないですか!
渋谷のシネセゾンは平日初回(10:30〜)は1000円で見られるらしく今から行ってきマース!

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帰ってきました。
写真アップ。渋谷シネセゾンで展示されていた映画で使われたうさぎのぬいぐるみ。このぬいぐるみに象徴されるように、美術のコラージュ感の強い映画でした。こういうのってどちらかと言えば女性好みかも。

映画はかなり良かったです。以下感想。
現時点での今年観た映画のベスト1!*1いえ今まで観た邦画のベスト10に入るかもってくらいの勢いでココロにヒットしました。
なんと言ってもこれがデビューである、新人脚本家渡辺あやの脚本がイイ!パンフには脚本が収録されてるのでこれは絶対買い!ですよ。
原作の田辺聖子さんはアタシが10代の頃からかなり好きな作家さんで愛読していましたから、彼女の初期の恋愛小説の名作のこの原作をどう料理するのか正直不安もあったんですよね。好きな原作が映画化されて満足出来る事って普通は少ないじゃないですか?
ましてやこの原作は本当に短い話でこれをどうやって映画にするんだろう?って思ってたんですが原作にないエピソードがいっぱい入っていてそれが不自然じゃなくちゃんと根本のところで原作のエッセンスも生かしつつ映画としてのジョゼ虎の世界を作っていて、それが原作好きなアタシにも素直に受け入れられるものだったことはめったにない奇跡みたいなものだったとホント思います。
新井浩文くん(「青い春」で大好きになりました)や上野樹里ちゃん(彼女も始めてみたけどすごくチャーミング)のエピソードは原作にはないんだけど、ジョゼ(池脇千鶴ちゃん)や恒夫(妻夫木くん)のキャラが立っててそいで、渡辺さんが役の上の2人のことを全部わかって(性格とか考え方とか)書いてるからストーリーに揺るぎがなくて新しく登場した脇役のエピソードが映画版ジョゼ虎の世界を全然壊さずにむしろより深いものにしているように感じられました。
渡辺あやさんはこの脚本を引き受ける時、田辺さんを好きだったので恐れ多くて迷ったけど他の人が書くことになっても悔しいので結局引き受けたそうで、それってアイデン&ティティの脚本を引き受けたクドカンのコメントとまるで一緒。

映画自体の感想はネタバレになるのでまだ観てない人がほとんどだろうし、後日改めて書こうと思うけど、ひとつだけ。
ごめんなさいアタシ妻夫木くんを今まで見くびってました。可愛いけど、こんな演技の出来る人だとは思ってなかったです。いわゆる演技演技した上手いだろ?的な(例えて言えば大竹しのぶみたいな?)んじゃなくてなんでもなく普通にやってるみたいで演技してるように見えない上手さ。これは天性のものでTVとかでは伝わりにくいのよね。ウォーターボーイズの映画も大好きで喜んで見てたのに可愛いな〜!って思ってるだけで終わっちゃったし。渡辺さんもウォーターボーイズを観て妻夫木くんのイメージであてがきしたそうなんだけど、妻夫木くんが脚本を読んであんまり自分のまんまなんで驚いたと言うエピソードがあって、やっぱ渡辺あやさんは只者じゃないですね。

ひとつだけと言いながらもう一つ。正直ちーちゃんのおっぱいはものすごく綺麗とか言うようなレベルのもんじゃなくはっきり言ってショボイヌードだと思いました。でもあの場面でジョゼだからあれでいいんだと思う。輝くような素晴らしいヌードではジョゼ虎の世界が壊れてしまうから。アタシもあの場面では涙ぐみましたもの。

*1:今週末公開の「アイデン&ティティ」もなんとか年内に観たいと思っていますので、こちらの方もアタシには名作の予感がひしひしとしてるんですよね。