アイデン&ティティの感想(ネタバレあり!)

これネタバレなしでは書けそうにないので映画まだ観てない人は注意です。この↓10行くらい空けて書きます。












アタシはINUさんに今回の映画化を教えてもらうまで原作も知らなくて、名作だって言葉を信じて原作買って読んだのがほんの少し前で(品切れで入手出来なかったのが映画化で増刷したみたい)読んでみたら確かにすごく良くってうわーっ!好きだなあ〜てな感じだったのだけど、ただマンガだと良いけど実写でやったらどうなるか心配だったことが二つありました。
一つはディランをどうするのか?生身の人間が演じたら寒いことにならないかって不安。だって神様な訳だからさ。実在したらありがたみ薄れるでしょ?予告編観ると実際に誰か俳優さんがディラン役で出ているようで、それって大丈夫かな?ってドキドキしてたんだけど、結果としてはOKでした。脚本のクドカンのアイデアで映画の中のディランは喋らなくてハーモニカをプヒーって吹くだけなのね。そうすると中島には伝わるの。これ上手いなあって思った。そういうの思いつくところがクドカンのすごいとこなんだろうなあ。
もう一つの不安は彼女の存在。恋人をキミと呼び*1ワンレンのストレートのセミロングでフラワーチルドレンの名残みたいな時代錯誤な感じでなおかつある種の男の理想系的な存在。こんな女神みたいな彼女がいたらそりゃ男はダメ人間まっしぐらになっちゃうよね。って皮肉の一つも言いたくなるくらいの。それを少女のようなあどけない面立ちの麻生久美子が演ると別の実感が迫って来る。それは彼女の背伸び?ホントは無理してるんじゃない?ってことのリアルなんだとアタシは思った。
キミって呼ぶのもマザーのように振舞うのもそう思って見るとむしろ痛々しくて、ああ!こういう時甘えられたら楽なのに大人の女ぶってあとで後悔した事がアタシにもあったよなあ・・・だとかね。
もちろん芯の強いそんじょそこらにはいないような女の子なんだけど、それでも弱いところもちゃんとある生身の女の子でもあるんじゃん?
映画を観た後でみうらじゅんがインタビューで彼女が中島に言う「どんな時でもキミの味方」ってのは中島は気が付いてないけど裏返せば自分もそう言って欲しいってことだと答えているのを読んで、すごく納得した。マンガを読んでる時はそこまで読み取れなかったけど映画ではそれがちゃんと感じられたから。
そこの部分ですごく恋愛映画だなあってじんじん来ちゃった。
と映画の後半は麻生久美子に感情移入しまくりだったのだけど前半ではおっかけの女の子達がもう他人とは思えなかったアタシですよ(笑
昨日の日記でもプチおっかけって書いたけどまあアタシがライブハウス通いに明け暮れてた頃はバンドブームよりもう少し前のインディーズブームの頃で、そう言えば少し前に夏木マリがデビュー前にグループサウンズのおっかけをしていてデビューしたのも同じ芸能人になればあわよくば〜って気持ちがあったとか、すごく有名なグループよりもさほど知られてないところをおっかけするのが醍醐味で顔覚えてもらったり友達になったりするのがいいんだって言ってたけど、今も昔も変わってないんだなあってしみじみ思ったり・・・。
アタシもあの頃はバンドの連中にいかにアピールするかに血道を上げてたよなあ。おっかけ仲間に抜け駆けしてホテルの部屋に呼び出されたりするのは勲章だったし・・・。(携帯電話のない時代ですから色々大変だったのよー。そういや映画にも携帯出てこないよね)とはいってもキス止まりで最後までやってないんだけどさ。変なプライドが邪魔してやっちゃったらただのグルーピーでしてなきゃそこはかとないお友達気分を味わえるように勘違いしてただけのひどい話で今にして思えば申し訳なかったと思います。ダメって言ってそこでストップしてくれた○○くんや××くんにはホントありがとうって今だから思う。
映画で声ちゃんや平岩紙ちゃんが演じてた女の子達はもっとストレートでリアルだけど生臭くなくってなんか可愛く思えたよ。岩本もそうだけど、原作よりも毒が薄められた感じでアタシは映画のほうが好きかも。悪キャラは事務所の社長と雑誌記者くらいで大人と子供の対立って構図が見えやすくなっててストレートな青春映画の王道?特別バンド経験者とかロック好きでなくても受け入れられる映画なんじゃないかと思った。
もちろんそういう思い入れがある方がより熱くなれるけどね。
バンドな感じのリアル感。たとえばジョニーの「ずっと悩んでろ」ってセリフだとかすごくバンドだなーって感じで大好き。
切れまくる中島のライブシーンはすごく美しかった。
そいでラストのディランのあの曲。
えっとこないだジョゼと虎と魚たちの感想で現時点で今年見た映画のベストワンだけどまだアイデン&ティティを観てないから〜って書いたけど、好きなものに順番なんて付けられないよね。id:kumayou666さんの

木更津キャッツアイはもちろん優勝なんだけど今年2003年あちき的べすと映画は
東のアイデン&ティティそして西のジョゼと虎と魚たちに決定

ってのをパクらせて頂こう。

この映画観て儲けたこと、大森南朋ってすごぉ〜く好みのタイプ!もうみっけ!ですよ!身のこなしがせくしー。アタシがスピードウェイのおっかけだったら絶対トシ狙いで行くね(笑)元々リズム隊好きとかベース弾きに弱かった過去とかは関係なくってよ。大森南朋目当てでヴァイブレータも観ようと思います。寺島しのぶとベットシーンがあるんでしょ?きゃーどうしよう!?ドキドキしちゃう〜!(バカなのは充分わかってるんでどうかそっとして置いてやって下さい)

*1:関西出身のみうらじゅんのイメージする東京の女性の象徴的な言葉使いらしいけど、君なんていう女の子はイマドキ現実にはまずいないつーの