はてなダイアラードラマ百選〜遊びをせむとやうまれけむ

yukodokidoki2004-07-28

デザートはあなた
1993年10月10日〜1994年3月20日 日曜 23:00〜23:30 TBS JTドラマBOXで放送

  • レギュラー出演者

 

  • 各話のタイトル、ゲスト、料理
    • 第1話 「COME ON TO MY HOUSE」 ゲストなし 牛の胃袋のポモドーロ風煮込み
    • 第2話 「ジェラシーは花言葉河合ゆみこ:宮沢りえ 二十歳の売れっ子マンガ家 オマールのポワレ オリーブ風味
    • 第3話 「セクシー・ゲーム」 海野潮子:杉本彩 セクシーなものしか撮らない写真家 究極の自家製生ハム
    • 第4話 「CATCH & RELEASE」 マリコ・ヤマモト:藤真理子 メイクアップアーチスト リゾットの白ワイン風味
    • 第5話 「サティスファクション」 川中真美:中嶋朋子 ストーンズのコンサートで出会ったミュージシャン きのことクレソンのすき焼
    • 第6話 「伊豆の潮風」 廻耀子:かたせ梨乃 森曜子がモデルらしき女流作家 海水のスパゲッティ
    • 第7話 「雨降りかけて地固まるの巻」 無し イタリアンフルコース,英国式朝食
    • 第8話 「朋あり遠方より来たる」 ゲスト無し 中華粥
    • 第9話 「磯のアワビの片思い」 景子:真行寺君枝 俊介のかつての憧れの女性、人妻 アワビのしゃぶしゃぶ
    • 第10話 「LOVE SESSION」 高橋ミエ:池上季実子 ワインのソムリエ? ブイヤベース
    • 第11話 「ケイタリングサービス」 安達乃里子:萬田久子 黒姫山の山荘で暮らす陶芸家 オイルサーディン丼
    • 第12話 「白雪姫に御用心」 磯崎ルリ:七瀬なつみ 若い女優 鯛の塩蒸し
    • 第13話 「恋人は遠くに在りて思うもの」 村上なつみ:名取裕子 グアムのリゾートホテルのオペレーションマネージャー しょっつる鍋
    • 第14話 「プリティ タイフーン」 原田ミチル:田中律子 じゃじゃ馬娘、と見えて実は・・・ ココナッツミルクカレー
    • 第15話 「長靴をはいた訪問者」 小杉エツコ:賠償美津子 夫の残した花屋を切り盛りする未亡人 野鳩ポルトワインソース
    • 第16話 「案ずるより産むが易しの巻」 ゲスト無し クサヤとタクアンのチャーハン
    • 第17話 「ハローグッバイ」 友永ユイ:東ちづる モデル、自由人、女性版大西俊介 鱈の雪見鍋
    • 第18話 「豪傑のバレンタイデー」 野口もえこ:風吹ジュン デザイナー、豪傑、三四郎のお見合い相手 イカの墨煮
    • 第19話 「ザ・ライバル」 西田シンゴ:池畑慎之介 俊介の高校の同級生でライバルで・・ キャベツ&ベーコン
    • 第20話 「遊びをせむとやうまれけむ」 菊池サトミ:紺野美沙子 カナダに住むイルカの研究者 大和粥
    • 第21話 「湯けむりの女」 マイコ:川島なお美 奥湯河原の旅館の女将 豆腐ステーキのブルーチーズソース
    • 第22話 「最後の晩餐」 ゲスト無し フォアグラのソテーのトリュフソース
    • 最終回 「大西俊介・39歳・独身」 ゲスト無し 牛肉15Kgの丸焼き
  • スタッフ
    • 脚本:山元清多、橋本以蔵、秋田佐知子
    • 演出:倉内均、瀧川治水、北川邦夫
    • プロデューサー:倉内均(アマゾン)、信濃正兄、丸谷嘉彦(クレジット表示なし) 
    • 主題歌:忌野清志郎&23'S「プライベート」
    • 音楽:三宅伸治MOJO CLUB)
    • 料理監修:中原英治

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今から11年前TBS系列の毎日放送制作で夜11時台に半年間放送された30分枠のドラマです。
残念ながらビデオやDVDは発売されていないのですが、http://www.asahi-net.or.jp/~FS6Y-IWMT/dessert/index.htmlのサイトで全話のストーリーや詳細情報が紹介されています。*1
30分で1話完結。料理を作ったり食べたりするシーンはあるし、回によって対談や裏エピソードの紹介VTR、ライブ映像も入る豪華な作りで、毎回当時のゴールデンで主役を張れるような豪華なゲストが出演していました。11時台の30分番組とは思えない中身の濃さ、毎回本当にお腹いっぱいでご馳走さまな気分になれるドラマでした。





☆アタシがこのドラマが好きな理由



【主人公が魅力的】 
大西俊介は早い話がプレイボーイなわけなんだけど、岩城滉一がナイスキャスト!キザなセリフもこの人だと許せちゃうし、実生活でも遊びの名人(まさに原作者森曜子書くところの「ホモルーデンス」そのもの)だけあって、一つ一つのエピソードがリアルで取って付けた感がない。オートレース、釣り、車、バイク、ジェットスキー、料理、どれも吹き替えなしでやってるようです。毎回のラストで結局はいつもデザートはお預けになってしまうってのも、一見しょうがない遊び人のようで実は案外ストイックでこだわりの人(第4話や9話のエピソードで虔著に描かれている)という深みのあるキャラなのです。
何の仕事をしているのかわからないのに妙にお洒落な暮らしをしているとかじゃなく、爺さまの遺産(都内に400百坪の畑)ってのも程良くリアル。



【他のレギュラー登場人物も魅力的】 

  • 毬谷友子:素ボケキャラ、実は賢くて自立した女性。「並大抵の女じゃ俊介の相手は長続きしない」by三枝女史、と言われるように5年間もスティディな関係をこんな男と続けられるなんてハンパなくスゴイ。
  • 夏木マリ:世界を股にかけてお仕事バリバリ、女傑、「女を売らず、女は捨てない」は名言。でも実は可愛い女でそれをストレートには出せない感じが泣かせる。
  • 忌野清志郎:浮世離れした芸術家。10代からの俊介の親友。彼の存在が俊介がただの女たらしではなく、主人公の存在に深みを与えるなくてはならない存在。ぎこちない演技はまあご愛嬌で・・・。

それぞれが役にはまっていて他のキャスティングは考えられない!って感じ。



【とにかくひたすら料理が旨そう】
この番組で紹介された料理のうち、生ハム、キャベツベーコン、サーディン丼は我が家の定番メニュー。このドラマに登場したメニューを全部作って「デザートはあなた料理日記(写真付き)を作るのがアタシの密かな野望。真っ赤なアイランド型のキッチンはイタリア製?セットも実に凝っていた。その後堺正章の料理番組「チューボーですよ」の初期セットとしても使われたとか。



【遊び心】
たった30分にこれでもかとばかりに入れ込んだ濃縮ジュースみたいな濃さ。海外ロケはあるし、毎回のゲストは豪華だし、セルジュ・ゲインズブールやローリング・ストーンズのライブシーンがチラリと登場したり、出てくる小道具の1つづつもこだわりの感じられるものばかりで、スタッフも相当入れ込んで作っていただろうと思わせてくれる、大人の遊び心にあふれた作り。
それでいて訳のわかんないバラエティまがいではなく、ちゃんとドラマとして成立していることの凄さ。(本編は実質20分くらいなのに・・・)
最近の薄っぺらいゴールデンの連ドラ作ってる方々にぜひとも観て戴いてちょっと考えてもらいたいものだわ。



サグラダ・ファミリア
原作でも実は隠しテーマになっていて、これが書かれている為に単なるプレイボーイの面白おかしい恋愛ごっこ小話ではなく、一本スジの通った話になっているのだけど、ドラマでも今田勲(原作では今井田勲)として何度も会話に登場するサグラダ・ファミリアで働く日本人彫刻家のモデルである外尾悦郎氏本人がインタビューに答える場面があり(2話と7話)、それを観てこのドラマは絶対にずっと観ようと強く思ったのでした。



【キヨシローが可愛い】
や、アタシは確かにヨシローファンですけど、このドラマの頃は一番熱の低かった時代で、多分当時のファンの大多数がそうだったと思うんだけど、23'Sなんて訳のわからないシロートと組んだようなバンドをRCを止めてどうして始める必要があるのかわかんないし、オマケにドラマのレギュラーかよ?(本格的なものとしてはこれが最初だったはず)的な納得いかない感でいっぱいだったわけで、だから当時はキヨシローに対する思い入れは案外低く観ていたつもりなんですが、後に見直すとぎこちなくも危なっかしい演技(と言って良いのだろうか?笑)もキャラにはまっててなかなかよろしくて、みっともないことにはなってないので、脚本家さんや演出家さんありがとう!なのだけど、もう一つ、キヨシローファンには見逃せない弾き語りや演奏シーンが実は多いのですよ。
主題歌の「プライベート」(1,8,15,22話)や「この愛が可愛そう」(15)を23'Sで歌うのもそうだけど、ドラマの中や収録後のゲストトークで弾き語るのがなかなかレアな選曲でファンには嬉しいところ。



【オマケで弾き語り曲のリスト】

  • 明星即席ラーメンのCMソング(2)*2
  • 「帰れない二人」*3「赤い原付」*4(16)
  • 「窓の外は雪」*5(17)
  • 「雨上がりの夜空に」(18)
  • 「上品な猫みたいな」*6(22)

【もう一つオマケ】
このドラマを観て「こんなのありえない〜!こんな人いるわけない」と思う方もいらっしゃるかも。
でも大西俊介にはモデルがいます。元大手広告代理店勤務*7現在は執筆業やイラストレーターとして活躍している菊地仁志氏。日本ダッチオーブンソサエティーの会長でもあります。
森遥子との交流も深く森遥子の料理手帖ISBN:4062059924真入で登場しています。
原作本とモデルになった菊地氏外尾氏のことはこちらのページに情報が有ります。
http://serori23.hp.infoseek.co.jp/dessert.html



【特にお気に入りの回は】お気に入りのセリフ付き
第4話 「CATCH & RELEASE」「いかんせん僕はアルデンテで君はアルデンテが嫌いだっていう つまりそういう事だ」
第8話 「朋あり遠方より来たる」「たとえわたしが八十のお婆ちゃんになったって、『デザートはキミ』って口説き続けるのが、男と女の友情におけるマナーじゃないの」
第9話 「磯のアワビの片思い」「あたしがあたしを信用できないの」
第18話 「豪傑のバレンタイデー」「三四郎君 あなたのがよっぽどカッコ良いわよ」
第19話 「ザ・ライバル」「自分には無いそいつのがむしゃらな生き方ってのが羨ましくてさぁ そいつに勝つ事で そいつの視界にいつも入っていようといつも頑張っていたんだ」
がベスト5(順不同)かな?

*1:どうしても観たい方にプチアドバイス「求めよさらば与えられん」いや、インターネットは上手く使えば魔法のランプ、打ち出の小槌かもね〜。たのみこむでもリクエストが出されていますhttp://www.tanomi.com/metoo/naiyou.html?kid=17393

*2:『♪雨がふってる日曜日 ぼうや泥んこなぜ泣くの  あそこの角で転んだの 明星即席ラ〜メン』パパの歌をリクエストされたキヨシローだが「忘れてしまった」「好きなので良い?」と歌い始めたのがこの曲。何気に名曲〜!と思ったらミッキーカーチスが作ったらしい。タイマーズNHKのロックンロール・バンドスタンドで放送中にわざと歌ってスタジオに切り替えられたなんてこともあったとか。よく聞くと歌の後で「放送出来るか!?」って言ってるし。いつものことですがー。

*3:井上陽水との合作曲、陽水の「氷の世界」に収録

*4:泉谷しげる黒いかばんの替え歌で赤い原付に乗っていたらおまわりさんに呼び止められて〜と言う実話を歌ったもの

*5:シングル「つ・き・あ・い・た・い」のカップリング曲でEPLP2にも収録されたがどちらも廃盤の為現在入手困難

*6:DANGERでやった曲、やはりCDは廃盤・・・と思ったらASIN:B00005GLJ4

*7:TV番組の企画プロデュースがお仕事だったそうで、このドラマにもラストにテロップが出ますがどの程度関与してらしたのかは謎