素晴らしかった!「火の魚」

たった1時間弱のドラマなのになんだろう?そら、いろんな賞を受賞しまくりなのが当然つーか、評判どおりに素晴らしかったです。普通それだけ前評判が高いと「それほどのもんか?」なんて思ってしまいがちなのが人の常だと思うんですが、そんなこともなく素直に楽しみました。
アタシは基本的にストーリーテリングの優れてる話が好みなんですが、この作品は真逆でストーリーをアレコレ言うような作品じゃなくて、ホントに最小限までそぎ取られた渡辺あやの脚本とそれを表現した俳優、そして演出の黒崎博をはじめ、照明、美術、映像、音楽などのスタッフの素晴らしさ。そのどれが欠けても成立しなかった奇跡のような作品だったと思いました。
影絵綺麗だったなー。
これがNHK広島って地方局で撮影されたってのがすごいですね。公式サイトのスタッフブログを読むと良い作品を作ろうって熱気が感じられます。地方局なのでドラマを撮り慣れてるスタッフばかりじゃないようなのですけど。
NHK広島で黒崎ディレクターはこの前年にも「帽子」と言う優れた作品を世に送り出してるのでよね。昨日は「火の魚」を観た後、「帽子」の録画DVDを探して観てました。とても贅沢なドラマ三昧な日曜日となりました。
黒崎氏は現在秋からのNHK火曜10時枠のドラマを制作中だそうですが、NHK広島から移動があったのかしら?いまや世界的にも評価された次代の看板ディレクターになろうって人ですし、今度はどんな作品を撮っているのか気になるところ。
しかし、ホントに渡辺あやはすごい!彼女の脚本作品にハズレなし伝説は継続中。「その街のこども」の時も思ったけど、この人が数年前までは島根で雑貨屋をしながら主婦してた人だなんて、世に出る才能のある人はどこにいて何をしてても世間がほっとかないってことなのかしら。