2つの桜姫

長塚脚色の南米版の方は無事に録画、視聴出来たのだけど、昨夜NHKhiでやったコクーン歌舞伎の方は裏のフジロックを録ってたので観られず。
そのうち再放送してくれるよね?NHKさんお願い!
桜姫東文章は歌舞伎の演目の中でも特に好きなものの1つ。20年以上前に見た玉三郎と孝夫(現仁左衛門)のがとにかく素晴らしくて〜、アタシが見たのは孝夫が権助と清玄の二役を演じたバージョンなので昭和50年代後半になるのかな?初演版のこれは玉三郎の当り役中の当り役だよね!当時NHKのTVでも放送されたから、それを観てる人も多いと思う。アタシも是非もう1度観たいです。ストーリーの波乱万丈さ荒唐無稽さは言ってみたら現代のケータイ小説のノリと言っても過言じゃないくらいのものなんだけど、玉三郎の桜姫はとにかく美しくて、可愛くて、怖くて、エロティックで、カッコ良くて、もうもうとーんでもなく素敵!(はあと)でした。
コクーン歌舞伎の桜姫は随分変えられてるらしいんだけど、観るのが怖いような気持ちもあるのが正直なとこで、でもやっぱり観たい。
多分七之助くんの美しさは今が盛りだと思うけど、それでも桜姫ってすごい大役だよねえ。

いっそ長塚版くらい書き換えられてたら別の舞台って感覚で観れるんだろうけど、歌舞伎ってアタシなんかよりもっと年上のファンのオバ様方が何代目のあの時がどうだとか、そーゆーことばっかり言ってるのってどうなん?て若い頃は思ってたんだけど、結局アタシも同じようなこと言ってるのな。

んで南米版の方の感想も少々。
まずは何よりも音楽!完全無比に素晴らしい!エクセレント!ファンタスティック!パーフェクト!メチャメチャ好み。さすがヨタロウだわ。伊藤ヨタロウのバンド「メトロファルス」はアタシが20代の頃に一番たくさんライブに通ったバンドで、当時は勿論好きは好きなんだけど、メンバーとも顔見知りになっちゃって、打ち上げとかに参加出来るのが楽しくて音楽そのものの魅力よりもそっちメインで通ってた部分もあったように思ってたんだけど、今になって当時や最近の音源を聞いたり(昔はライブだけでレコードもあんまり持ってなかった)、いろんな舞台等の仕事を見聞きすると、自分の中にすっかり浸み込んでるのをしみじみ感じる。間違いなくアタシの好きな音楽の大きなルーツの1つになってる。(もう1つの大きな柱がキヨシローで、後からそこにブランキーが加わったって感じかな)
で、今までに何度も書いてるけど主演女優の大竹しのぶがアタシはどうも苦手で、人が言うほど巧いと思えないし、や、巧いのかもしれないけど、アタシの好みのタイプの演技者じゃないのよね。だけど他の出演者はホントに好きな人ばっかだし、長塚くんも串田さんも勿論大好きだしで。その中で主演女優だけが苦手ってのはどうなのかな?と思いつつの観賞だったのだけど、ところどころ鼻につく部分はあったけどまあまあ観れました。(なんて上から目線なんだ)
娘も一緒に観てたんだけど、彼女は古田新太に感動してた。確かにこの人また巧くなってない?すげーわ。勘三郎のゴンザレスが意外といっぱいいっぱいな感じであれれ?活舌もう1つだったし、インチキ臭くて人間臭いゴンザレスみたいな役はお手の物だろうと思ったのに。白井、古田の発声、活舌が素晴らしかったのでちょっと割り食っちゃった?歌舞伎の様式で声を張ったら違うんだろうけど。役のニュアンスを全身で表現してるって意味ではバッチリだったので余計に惜しい。(また随分と偉そうに>アタシ)