「大阪ハムレット」これは是非とも観るべき映画

以下ネタバレアリアリな感想。
現在この年代の若手俳優でアタシのイチオシな森田直幸くんが出てるってのと、ぴあの満足度ランキングで3位で評判も悪くないらしいってくらいの知識しかなく観たんですが、すごい良かったです。
大阪に住む3人兄弟のお父さんが最初に死んじゃうんだけど、これが間寛平なの。写真だけのキャストなのかな?って思ったらチラッと出てました。うんハマってました。その弟役が岸部一徳で一徳出演作に外れナシなマイジンクスは記録更新中。
3人兄弟のおかあちゃん松坂慶子松坂慶子と一徳は年齢的にはちとキツイんじゃない?とは思わなくもなかったのではありますが、それでもさすがの存在感で決めてくれました。
兄弟の長男役久野雅弘くんはブラッディマンディで主人公の友人でウィルスで死んじゃった子の役やってた子だよね。今wiki見たら少年Hで出てきた子なんだ!Hの時上手かったもんね。しょっちゅう大学生に間違われる老け顔の中学生役で女子大生(加藤夏希ちゃん)と恋愛関係になっちゃうんだけど、実は彼女も過去にトラウマを抱えてて・・・。な設定。
末っ子の大塚智哉くんはデコ手鏡を見ながら庭で前髪を自分でちょう慎重に切ってるのが登場カットだったので、最初女の子?って思ったらそうじゃなくて。
でもやっぱり「将来は女の子になりたい」と思ってる子で学芸会でシンデレラをするシーンでアタシってば不覚にも泣いてしまいました。現実はこんな簡単に上手く行くわけじゃないだろうし、まだまだ彼(や、彼女と言うべきなのか)の前途には困難が沢山待ち構えているのだろうけど、お母ちゃんもお兄ちゃん達も一徳も家族みんなが見守ってくれてるんだよね。
そいで一番のお目当ての森田くんですが、こーんなヤンキーな役だったとは!喧嘩っ早くてホントどーしよーもないんだけど、明るくて笑える。堤防を走りながらハムレットのセリフを大阪弁で独白するシーン(ちりとてちんの落語シーンを彷彿したんだけど実際の撮影はどっちが先?)は特に繰り返して何度も観たいのでDVDが出たら要チェック!だわ。「生きるべきか死ぬべきかって、生きとったらそれでええやん」なーんてセリフも彼が言うと説得力があるよねえ。芋たこなんきんの本好きな中学生役も良かったし、ケータイ捜査官ではちょうオタクな役だし、この子は若いに似合わず腕も引き出しも持ってる子なのでもっと色んな場面で観て行きたい。確か今春高校卒業だよね?東京に出てくるのかな?ゴールデンの連ドラとかで毎週観れたら嬉しいんだけどなあ。
しかし考えてみると森田くんも出演作ハズレなしだよねえ。酒井家のしあわせもかなり良かったし、ゲスト出演したNHKのジャッジも刑事の現場もイイドラマだったし、芋たこやちりとては今更言うまでもなく、ケータイ捜査官なんて今一番楽しみにしてるドラマだし、関西で地元の高校に通って大手じゃない事務所に所属している彼ですが、良い仕事に恵まれて良いキャリアを重ねてるなあ。ってつくづく思います。単にゴールデンとかいっぱい宣伝してくれる大作映画とかに拘らず、今のスタンスの上により一層のステップアップをして行ってくれたらファンとしてはとても嬉しいのですが。

これ原作はマンガなのね。最近あんまりマンガ読んでないので知らなかったけど第10回文化庁メディア芸術祭優秀賞に第11回手塚治虫文化賞短編賞って評価されてるんだ。
http://webaction.jp/title/52.php
ここで第1話読めます。
マンガではユキオ(森田くんのやった役)には兄弟がいなくて、他の兄弟のエピソードはそれぞれ別の話なんだけど、それを兄弟の設定にして家族をメインテーマに持って来たのが成功だったと思う。多分脚本が上手いのよね。

大阪ハムレット (1) (ACTION COMICS)

大阪ハムレット (1) (ACTION COMICS)