シネマ歌舞伎

yukodokidoki2005-09-05

勘九郎改め勘三郎(でもこれを実際に演じてた時はまだ勘九郎)の野田版鼠小僧先週末から大阪でやってるの観て参りました。
前売りを松竹でしか売らないんで非常にメンドクサイ!でも前売りで売り切れたら当日券出ないってことだったので、8月に電話で予約して暑い中わざわざ難波まで取りに行ってたのですけど、
まだ余裕で空席ありました。まあ平日の9時50分の回だもんね。お客様はアタシでもかなり若い方なんじゃない?ってくらいのオバサマ方オンパレードで。
で肝心の中身ですが空席が勿体無いような面白さ!
ただ音がちょっとね、舞台に比べて微妙に大き過ぎて逆に聞き取りづらかったような。
大きなスクリーンでアップになるのとか舞台とは又違った魅力があってこの手の試み自体は悪くないと思うんだけどね。観たことないけど新感線のゲキシネも似た感じなのかな?(SHIROHの地方上映があるなら絶対行く!DVDも買うけど)
野田版鼠小僧は舞台で観てないし事前予習もしてなかったのでこんな話だとは知らなかった。
七之助くんの役が超々おもしろ〜い!
以下ネタばれなので
野田脚本の芝居は初期のものメインでソコソコ観てる方かと思うんだけど、これは野田得意の言葉遊びもそれほど入っていなくて別物っぽい感じ。
でも通常の歌舞伎に比べたらテンポはかなり早いよね。笑わせどころもいっぱいあって出演者がみんな嬉々として演じてる感じがすごく良い。
んで登場人物に誰1人として全くの善人が居ないのがスゴイです。
歌舞伎には元々ピカレスク物が結構多いんだけど、主人公三太は憎めない中途半端な子悪党でこーゆー人間味のある役をやらせるとほんっとにカンザはピカイチだねっ!
観客の胸に社会への怒りを投げかけるようなアンハッピーエンドはやっぱり野田っぽ〜い!
終わって劇場出口でオバサマ方が「悪が栄えたまま終わるのは納得行かない」を仰っておいででしたが、巨悪への憤りを引き出せてる時点で野田のねらいどおりってことなんかな。
野田版・研辰の討たれも観た〜い!http://www.dentoubunka.co.jp/db/0509_kabu_togitatu01.html
歌舞伎チャンネルは我が家のケーブルじゃ観られないのでDVD買っちゃうかな・・・。

歌舞伎名作撰 野田版 研辰の討たれ [DVD]

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幕に使われていたのが国芳の荷宝蔵壁のむだ書みたいですごく嬉しかった〜!
あれって役者絵をお上に規制されての抜け道つーか反骨じゃん。繋がってるよね。うん。