学生時代の読書

アタシの若い頃に良く「若くて感性の鋭い時にこそ本を読まなくては」といった意見を耳にすることが多かったのですが、実際若いとはひっくり返っても言えない歳になって思うのだけど、若い頃の感性が研ぎ澄まされていて歳を取ると鈍ってくるってのは本当でしょうか?
アタシの場合むしろ若い頃にピンと来なかったことが歳を重ねてからしみじみ判ることの方が多いように思うのですけど。
例えば昨年末にジョぜと虎と魚たちの映画を見て久しぶりに田辺聖子を引っ張り出して読んでみたのですが、彼女の小説のエロチシズムなんて10代20代では半分もわかっていなかったのだなあ。ってことをつくづく思いました。
若い頃の読書ってそれこそ水でも飲むがごとく、手当たり次第にあれもこれも貪るように読むところに値打ちがあったように思います。少なくとも自分の場合は。一日の大半寝る時間すら惜しんで本を読むなんてこと大人になったら出来ませんし、したくもありませんから。一日最高8冊の本を読んだ時は頭痛がしたけど、あれも10代だから出来たことだよなあ。