原発ジプシー

この言葉を最初に知ったのは80年代半ば森崎東監督の映画

生きてるうちが花なのよ?死んだらそれまでよ党宣言 [VHS]

生きてるうちが花なのよ?死んだらそれまでよ党宣言 [VHS]

でした。倍賞美津子原田芳雄平田満といった出演者に好きな俳優が出ているってくらいでほとんど予備知識なく、映画館に行ったのでした。
原発ジプシーとは、原発の作業現場ってのはある程度の被ばくは免れないので、その限度が決められいて、それを超えたらもう作業をさせてはいけないことになっているんだけど、実際にはリミットに達してその現場で就労出来なくなった作業員が、それをないこととして別の原発から原発と渡り歩いて〜って人達のことで。
被爆の限度を超えた人がなぜ他の原発では作業することが出来るんだろ?って思うでしょう?それはつまり、そんなこと言ってたら必要な作業員を集められないから目をつぶってるってことだと言うんだけど・・・。
現在はどうなのか知りませんけど、以前はこのような現場で働く人はドヤ街のようなことろで、ヤクザがかき集めていたそうです。
今回の福島原発の事故現場でも被ばく事故が起こってしまったけれど、東電の社員じゃなくて下請業者でしたよね。

原発ジプシー (講談社文庫)

原発ジプシー (講談社文庫)

この本はもう絶版なので、未読なのですがネットで検索するといろいろ内容が紹介されてますよね。
結局のところ、原発は事故がなくても、仕事の中で被ばくをしいられている労働者がいなければ立ち行かないもので、エコでクリーンな電力なんてことが嘘っぱちだってこと知ってたはずなのに。なんで知らんふりして、目をつぶって今日まで生きて来ちゃったのかなあ。自分の生き方に後悔はいろいろあるけど、これは重い。
もちろんアタシに何ができたのか?何にも出来なかったとは思うよ。なんの力もない一般人に過ぎないですし。でもでも、どんなに非力でも何の結果を生み出さなくても、知らんふりよりはマシだったんじゃないかと思うのだけど、それは自己満足でしか、ないのかなあ。

追記
水道とか野菜とか牛乳とかは必要以上に騒ぎ立てて、さほど危険ではないものまで危険扱いしてるくせに、何が危険で何が危険じゃないのか、それをここまで曖昧にしているのは、本当は危険なことを危険じゃないと言い張ってるってことが根底にあるからじゃないの?ってアタシは思うよ。