名前のない女たち(ややネタバレ)

京都みなみ会館で藩金蓮改め花房観音さんのトークショーがあったのに併せて観て来ましたよ。
名前のない女たちの原作はインタビュー集ですけど、映画は普通のストーリー仕立てのドラマでした。
メインのAV女優を演じた2人の女優さんはオーディションで選ばれた新人だそうだけど、なかなか良かった。特にルルを演じた安井紀絵。アタシ好みのタイプだわ〜。メガネ掛けると尚良し。おどおどした地味なOLとコスプレして別人格になってる時と映画後半での腹が据わった時で全部顔つきが違ってた。凄い美人じゃないからこそ、いろいろな役を演じられる女優さんになれそうな。もう1人の佐久間麻由は髪型のせいか相楽晴子にちょっと似てたような。
AV業界のお話なので当然絡みのシーンはありますが、それを期待して観に行っても詰まらないと思う。だって話の作りとして興奮させる為のシーンじゃないし。大体R指定も付いてないしね。
ストーリーは知らずに観たんだけど、すべてに対照的なタイプの2人の女の子の友情物語って部分もあり、それってアタシの大好物のお話じゃん。そいで、青い春以来のファンである、新井浩文がどーしようもないヒモ男で出てるんだけど、(ファンなのでファーストシーンの声だけですぐ新井くんて判っちゃったから後半の仕掛けには驚けなかった)こいつがさ、ネコにも優しい、誰にでも、彼女以外の女にも優しい。自分の彼女に「風俗で働いたら?」なんて言っちゃう様なサイテー男なんだけど、なんか憎みきれないろくでなしで、「こーゆー男に弱いんだよなあ」ってタイプで、それを新井君がやってるなんてもうもう堪りませんよ!モテキ(あのドラマも出てくる男が全員ダメ男つー、だめんずマニア的にははあはあしまくりなドラマでした)の時も思ったけど新井君てここんとこ、グッと男の色気が出て来たよねえ。一時はヤンキー役ばっかで、そうじゃないのも観たいって思ってたので嬉しいな。
上映後のトークではAV女優ってことで一般人とは違う別世界のように思う人が大部分かもしれないけど、どこにでも居る普通の女の子達なんだって(アタシの意訳なのでちと違ってるかも)言われてたけど、セックスを売ることでしかアイデンティティを保てない、そこしか居場所がないと思い込んでしまっている主人公は痛ましくて、でも自分だって何かのはずみでこっちに転がってしまうことだってあったかもしれないよね。ってそんな風に思ったし、だから余計に心がヒリヒリしたのでした。