I STAND ALONE

I STAND ALONE [DVD]

I STAND ALONE [DVD]

昨日発売で本日(これを書いてる時点ではまだ21日)Amazonから届きました。
毎年チャボがバースデーに渋谷のAXで行ってる企画ライブで、今回はたった一人でRCの曲ばっかりやったってことで評判になってたものです。
東京には行けなかったけどDVDを出して貰ったので観ることが出来ました。

去年の暮れアタシは京都の磔磔に向っていました。年末の磔磔と言えば言わずと知れた麗蘭のライブです。
何を隠そうアタシ麗蘭のライブは初体験。RC時代のキヨシローの横でギターを弾いてるチャボが好きだったので、麗蘭のことは気になりつつもなかなかライブに足を運ぶことが出来なくて。それはキヨシローに対しても同じで、アタシにとって忌野キヨシロー=RCサクセションだったから、いつでもキヨシローの横にはチャボが居るのが当たり前のことで、そうじゃない状況を受け入れることが出来る自信がなくて、ちょうど子育てに奔走してる時期とも重なって、音楽ともちょっと距離を置くような形になってたのでした。ソロになったキヨシローをやっとのことで見たのは
なんと2002年でした。そん時のライブレポにもゴタゴタと書いてますけど。http://d.hatena.ne.jp/yukodokidoki/20020812/p2
ま、そうは言ってもそこそこCDとかは聴いたりしてたんですが。

麗蘭が毎年暮れに京都の磔磔でライブをやってるのは勿論知ってたけど、気持ちも状況も許さなくて、去年も行こうかどうしようか散々迷って、ちょうど息子の高校受験と重なったこともあり、あきらめたんだけど今年は行きたいなあって思ってて、そうしたら5月にキヨシローがあんなことになって、アタシ完全復活祭って行ってないんですよね。迷ってるうちにチケットが完売しちゃって。普通にツアーとかやるだろうし、またいつでも見れると、本気で思ってたから・・・。やっぱり後で後悔するくらいなら多少無理しても行きたいライブは行っとかなきゃダメなんだよなあ。って心底思って。

だから次の磔磔こそは絶対に行こう!ってその時は思ったけど、実際に年末が近づくと娘の大学受験はあるし、年末は主婦は何かと多忙でまたも諦めそうになったけど、やっぱり行かなきゃって思い直して、で、行けたのが初日の28日でした。

実はその2日ばかり前にお友達からメールを貰ってて、そのメールはチャボと面識のある。って言うかキヨシローとチャボのことを昔から良〜く知っている某氏と、某酒席でたまたま同席することになって、そしたらその方が「チャボが会う度に、未だに清志郎が死んだ気がしないんだよねえって、言って来るんだ」とおっしゃっておられたって内容で・・・。
その話をアタシに聞かせたいと思ってメールをしてくれたお友達の気持ちはホントに嬉しくて、そいでチャボがそう言ってるのもメチャメチャ判るし、その時の口調や表情も目に浮かぶようだし、嬉しいような、悲しいような、セツナイような、心がかき乱されるような、でもどっかでやっぱりチャボもそうなんだって安心できるような、そんななんとも言えない入り混じった気持ちで、すぐにはメールに返事も出来なくて、そいで磔磔に向う電車の中で返信メールを打ってたんだけど、なかなか言葉が見つからなくて。そして言葉を捜すうちにどうしてもまだ整理しきれてない悲しみとかやりきれなさに襲われて、チャボが密葬の時に1人では立っていることも出来ないほどの悲しみにに打ちのめされていた様子がニュースに流れたことなんかまで思い出しちゃって。折角嬉しいメールを貰ったのにその返信がこれじゃあどーよって、思ってるうちに京都に着いて、そうして始まった麗蘭のライブ。

磔磔に行った事のある人ならこの店のポイントは左側にポジションを取るべし。ってことはご存知のはず。整理番号はかなり後ろの方だったのだけど、それでも左端の前から4〜5列目をキープ。

時間通りのスタートで2階の楽屋から階段を下りてくるメンバー、ここ磔磔は楽屋からステージへ向うのに客席を通る他に通路が無く、左端をキープしていると目の前を通るメンバーが見られるわけで、チャボの手に軽くタッチすることが出来ました(ミーハーでスイマセン)ちょっと冷たいさらっとした感触でした。(アタシが年中手がポカポカな体質なもんで大抵誰の手に触れても冷たく感じるのよ)蘭丸はスパンコールのギラギラした衣装に大きなサングラスで非常にグラマラスな印象。チャボは最近良く着てる黒のロンTに黒地のドット柄のベスト。後ろから押されていつの間にか前から2〜3列目に。磔磔はステージが低いのでちょっと後ろだとそんなに背の高くないアタシにはほとんど何も見えなくなってしまうのだけど、この場所ならメンバー全員の表情まではっきりと見える。もちろんギターを弾く手元も。1曲目はライブタイトルにもなってる新曲で鳩山さんや友愛が歌詞に入ってる曲。新しいアレンジになってる曲が多くて(「俺達は真面目なバンドだから」って何度も言ってリハいっぱいやってることを繰り返しアピールをしてた)ニュードラマーになったせいもあるのかな?新しいドラムのJAH-RAHの音は結構タイトな印象。バンドとして非常にカッコイイことになってたように思います。
何度も「大掃除したか?」とか「大掃除しろよ」なんて言うチャボ。すいませんすいません大掃除途中でぽっぽって来てます。わーん!もうそんなこと聞かないでよ。
「今日来たやつはラッキーだ、3日も連続して思い切りは出来ないから明日明後日は手を抜く」なんてことをチャボが言うとすかさず、「毎年同じこといってる」と呟く観客。慣れた空気の中でリラックスしてライブは進む。新曲?って言ってた『清掃の曲』、ビートルズの日本語カバー(カッコ良かった!また聴きたい!)『I Call Your Name』、蘭丸ボーカルの『光るゼブラのブギー』(ジョージに歌ってもらうってチャボのMCがあった)、オバマ大統領の話題から歌詞がニューバージョンになった『今 Yes-We-Can』、バンドアレンジでの『Blue Blue』をやって、チャボがそろそろ終わりみたいな事を言うと(ちょっと早いよね)客はえー?ってなるじゃん。そしたら蘭丸が「チャボさんもう1曲やりませんか?」って妙に棒口調で(笑)そしたらチャボがわざとらしく「大事な曲を忘れてた!」ってこの辺お約束ぽい展開も楽しい。
そうして始まったのが『今夜R&Bを』、この磔磔で歌えることの喜びをMCで語るチャボ。
そして予感はあったけど、やはりこの曲の後半に聞き覚えのあるメロディが入って来て『スローバラード』が歌われ、そのままメンバー紹介して最後に天を指しながら「サンキュー!グレートグレートソウルハート忌野清志郎!」周りで目を抑える人複数。この『スローバラード』はちゃんと節回しもチャボ節の『スローバラード』でキヨシローのマネになってないのが素晴らしかった。湿っぽくなった会場の雰囲気を吹き払うかのように「めげそうな時は救いの神様、それはミュージック!」と叫ぶチャボ。そのまま本編のラストナンバー『ミュージック』へ

アンコールは4人ともツアーグッズのTシャツやトレーナーに着替えての登場。チャボが「公平がこーゆものを着る様になったなんて」とさも意味深いことのように言ったり、蘭丸が「チャボさん来年は年男じゃないですか」と言ったり、「ミュージシャンのあいつもこいつも同じ寅年だけど一回り違う」「来年だけは阪神タイガースを応援する(寅年だから)」終始和やかな雰囲気のMC。
新曲の『スピリット』はすっごいカッコよかったー!『命より他に失うものはない』って歌詞がとても印象的で、胸に突き刺さった。命と同じ位大事な物を失ったチャボが歌ってるんだと思うと尚更で。
アンコールの途中のどこでだったか、多分『Get Back』(勿論文句なしに盛り上がった)の後、客席から「チャボさんRCの曲はないの?」って声がかかった。一瞬アタシの心にヒヤリと冷たいモノを押し付けられたような痛みが走った。何故そんなことを言うのか?あまりにデリカシーの無い言葉に怒りよりも悲しみがこみ上げた。しかしチャボは穏やかに、「歌ったんだよ。こないだ渋谷で」「俺にはあれが精一杯だった」瞬きもせず必死でチャボを見つめ、声をあげることも出来ずただチャボの言葉を待つ。
でも今度のカウントダウンでは渋谷と俺とキヨシローは友達だったから、キヨシローは毎年カウントダウンに出てたから、今年は自分が出てRCを歌うつもりだと。「それでRCの曲はもう自分の中にしまっておく、もしかしたら1〜2曲はやることあるかもしれないけど」(まとまってRCばっかり歌うのはそれが最後ってことだと)そして先日の(RCを歌った)ライブが今度CDとDVDになって出るので良かったら聴いてくれと。
それからイスに腰掛けて「みんなずっと立っててすごい」なんてこと言って和ませて『Hello Good-bye』
ラストナンバー『ミステリー』ではメンバー紹介を再び。
ライブ終了でサッチモの素晴らしき世界が流れる中、メンバー同士でハグ再び客席脇を通って退場。
約2時間半のライブが終了。麗蘭のものとしてはちょっと短めなのかな?でも物足りないなんてことはなく、充分満足出来るものでした。
チャボがライブ中何度もMCで「大掃除しろよ」って言ってたけど、ホントにアタシはアタシのやるべきことをやらなきゃね。って強く思った。や、勿論掃除だけじゃなくですよ。心底行って良かったと思えるライブ。カッコ良かったし、楽しめたし、嘘の無いチャボのそのまんまの心が伝わって来て最高でした。

後日カウントダウンライブのラストであのチャボがギターを投げ捨てたって聞いて、この日の「精一杯だった」って言葉や、会うたびにキヨシローのことを話題にしてると言うチャボのことを思ってなんとも堪らない気持ちがこみ上げて来たけど、それでもチャボは自分のすべきことをこんなにも素晴らしくやり遂げてるんだから、アタシも2010年ちゃんと頑張って年末には自分へのご褒美でまた麗蘭のライブに行きたい。そう思います。

【セットリスト】

  • YOU - I
  • ミッドナイト・ブギ
  • ハイキング
  • あこがれの Southern Man
  • 待ちわびるサンセット
  • 清掃の唄
  • I Call Your Name
  • 光るゼブラのブギー
  • 今 Yes-We-Can
  • Blue Blue
  • 今夜R&Bを・・・
  • ミュージック

アンコール

  • Spirit
  • Get Back
  • Hello Good-bye
  • ミステリー

I STAND ALONEのDVDの感想を書くつもりが、その前にまずは磔磔のことを書かなきゃ!ってのがあって、そしたらこんなに無駄に長くて、例によってグダグダなものになっちゃったけど、自分としてはこれを書かなきゃ始まらなかったんで。

そうしてチャボ自身が「精一杯だった」と語ってたライブ。キヨシローへの決別なのか?と思ってたけど、実際には「キヨシローがもういないなんて思えない」って毎回会うたびにそんなことを言ってるというチャボ・・・。
「ずっとあれから努力してるんだ。君の不在を受け入れること」と歌ったチャボと繋げると、これだけのライブをしてくれてるなんて奇跡としか思えない。でもチャボ自身も言ってたけど、めげそうな時の救いはやっぱり音楽なんだよね。チャボとキヨシローを繋ぐきっかけとなったのも音楽だったのだし、その音楽に出会えたアタシはやっぱりハッピーだったんだとそんな風に思うのでした。
ありがとう。愛してます。