Mr Bojangles


今日はバイト休みだったので、朝ちりとてちんを観た後そのままTVを付けっぱなしにしてぼんやりしていたら生活ほっとモーニング中野ブラザーズの60周年記念公演を紹介していた。
もともと舞台役者の子供で母親のお腹の中にいた時から舞台に上がり、三歳から子役で活躍、兄弟が10歳と12歳の時フレッドアステアのタップ映画を観てタップダンスに魅了され
進駐軍のキャンプ回りをスタートにラスベガスのショーにも出演していたという、筋金入りの本物の70代の現役タップダンサーですよ!
兄の啓介さんはかなり足が痛むようで、もう充分には踊れないのだけれどそれでもカッコイイ。
弟の章三さんは舞台の子役時代は女形だったそうで、今でもその片鱗がうかがえる仕草が時々見られるのがかあいらしかった。お弟子さん達にもすごく慕われてるのが伝わってきたし。
60周年記念のショーのラストにMr Bojanglesを兄が唄い弟が踊ったのだけど、これがものすごく良くてマジで涙出そうでした。もし生でフルバージョン観てたら絶対号泣してたと思う。
もともとアタシはこの曲すごい好きなんだけど、ジェリー・ジェフ・ウォーカーってアメリカのカントリーシンガーが1960年代に発表した曲で、彼が1961年にニュー・オーリンズで酔って一晩留置場に入れられてしまった時に出会った、犬を連れた年老いた無名の貧しいボードビリアンの事を唄った曲で、最初はあまりヒットしなかったのが、その後多くのミュージシャンがカバーして、今では誰もが聞いたことのあるスタンダードになっているんだけど、日本だと中川五郎のバージョンが有名かな。あの遠藤ミチロウもライブで唄ったことがあるそうで、1度聞いてみたい!っておいおい話がまた脱線しちゃったよ。
白髪頭によれよれのシャツくたびれたタップシューズで一杯の酒のためによろけながら踊る落ちぶれた老人ダンサーの物語。中野ブラザーズの2人は歳を取って自分たち自身と重ねられるようになったと言っていて、ホント若いダンサーではちょっと表現出来ない年輪を感じた。年月は残酷で人は老いて体は思うように動かなくなっても、スピリットはより純化されてるような。もちろん若い頃からの想像を絶するであろう訓練と節制の賜物でもあるはずなのだけど。
2つの訃報でかなり落ち込んでたけど中野ブラザーズに元気を貰ってホンの少しだけ浮き上がれたみたい。
大好きなことがあってそれを精一杯やり続けることができるのは素晴らしい。
近々誰でもピカソにも中野ブラザーズは出るらしいので(もともとビートたけしとは親交があったはず)見逃さないようにしなくちゃ。

多分この曲を最初に聴いたのはもうかなり前シナロケの鮎川誠が出ていたサントリーのCMのなかだったと思う。 最初にヒットさせたNitty Gritty Dirt Band のバージョンだったみたい。

あんまりカバーをやんないボブディランもカバーしてる。