バッテリーのポイズン
『これは本当に児童書なのか!?』
ジャンルを超えて大人も子供をも夢中にさせた話題作の待望の映画化。
1996年に教育画劇から児童書として刊行され、2003年より角川文庫から文庫化されている原作は現在、累計280万部を超える大ベストセラーです。この原作を映画化し原作ファンはもとより老若男女を問わず感動できる「国民映画」を誕生させます。
監督に『陰陽師』シリーズ『阿修羅城の瞳』の滝田洋二郎。
野球に友情にと真剣に向かい合う少年たちを中心にその家族、クラスメイトを瑞々しいタッチで描いていきます。
青春映画、野球映画の枠にとどまらないエンタテインメント作品です。
この映画の主人公たちを募集いたします。
http://www.kadokawa-pictures.com/news/060224_battery/
太字部分は引用にあたり、アタシが強調してみました。
ちゅーわけでキャストはオーデションで選ぶらしいってのはなんとなく聞こえてきてたのでやっぱりそーなのね。
いや、それより何より、国民的映画?
なんかさー、違う気がする。
ついこの間人力検索はてなの質問で
徹夜するほど面白かった小説を教えてください。って質問が面白かったので久々に回答者になってみたんだけど、アタシがお奨めした本の中にバッテリーも入れてみたのね。(質問者さんの趣味を考慮しつつわざと微妙にずらし、なおかつ他の人があげない様なのをなるべく選んだつもり)
私が去年読んだ本の中でナンバーワンです。
ただ、
かなり好き嫌いのありそうな作品だとも思うので今の話題になり方は少々不思議にも思えるのですが。
少年の心の熱くドロドロしたマグマのような内面に結局これといった決着もついていないですし。
主人公達のキャラクターの魅力やいわゆるやおい的設定の上っ面で一見甘口に仕上げられているからでしょうか。
実はかなりの毒を含んだ作品なのに。
http://www.hatena.ne.jp/1141226898#a54
てな事を書いたんですけど。
確かにすごく面白い小説だと思うけど「累計280万部を超える大ベストセラー」ってのも正直不思議だし、元体育会系の人とかが青春を懐かしんで読んだなんて感想を見ても、え?そうなの?っておどろいたし、やおい的同人臭は色濃く出てるんだけど、それは表面的なものでお話の本質とは別のところにあるんじゃないのかなー。って感じで。
いわゆる少年の成長物語なんかじゃ全然ないし、野球だってたまたまそういう題材だっただけで、他のジャンルでもOKだったんじゃないかと思える話だし。
うー、毒ってのが何なのか上手く言葉で書き表せなくてジレンマ。
ちなみに質問者さんのブログのリストを見ると既読本かなり重なってます。
http://dain.cocolog-nifty.com/myblog/2006/03/post_3870.html
■既読からよりぬき(徹夜した作品には★)
-火車(宮部みゆき)★ ☆
-半落ち(横山秀夫)★ ☆
-塩狩峠(三浦綾子)☆
-屍鬼(小野不由美)
-黒い家(貴志祐介)☆
-白夜行(東野圭吾)
-日本沈没(小松左京)☆
-燃えよ剣(司馬遼太郎)☆
-ドグラ・マグラ(夢野久作)☆
-ホワイトアウト(真保裕一)
-虚無への供物(中井英夫)☆
-嘘つきアーニャの真っ赤な真実(米原万里)
-悪童日記/ふたりの証拠/第三の嘘(アゴタ・クリストフ)★セットで順番に!
-摩天楼の身代金(リチャード・ジェサップ)★ ☆
-ダ・ヴィンチ・コード(ダン・ブラウン)★ ☆
-星を継ぐもの(J.P.ホーガン)☆
-グリーン・マイル(S.キング)
-ダレン・シャン(ダレン・シャン)
-キリンヤガ(マイク・レズニック)
-シャドー81(ルシアン・ネイハム)☆
-百年の孤独(ガルシア・マルケス)
-夏への扉(ロバート.A.ハインライン)☆
-ゲームの達人(シドニイ・シェルダン)
-ケインとアベル(ジェフリー・アーチャー)☆
-アルジャーノンに花束を(ダニエル・キイス)☆
-存在の耐えられない軽さ(ミラン・クンデラ)☆
-クリスマスのフロスト(R.D.ウィングフィールド)☆
-レッドオクトーバーを追え!(トム・クランシー)☆
-寒い国から帰ってきたスパイ(ジョン・ル・カレ)☆
☆を付けたのがアタシの既読本
あと妖星伝は本当に面白かったですよね。
宮部みゆきが当たりはずれがあるってのはみんな思ってることなんだな。
「火車」が多分最高傑作なんだとは思うけどアタシは「龍は眠る」の方が好きなんですよね。好みってそーゆうもんでしょ。
この方は「西のよき魔女」を非常にほめてらっしゃるけどアタシは勾玉三部作の方が好きだしね。*1
この質問者さんの趣味だったら伊坂なら「オーデュボンの祈り」か「アヒルと鴨のコインロッカー」じゃないのかしら?「重力ピエロ」より断然上だと思うんだけど、どなたも勧めてないのね。
恩田陸も「六番目の小夜子」や「夜のピクニック」よりも断然「ネクロポリス」を薦めたいですよ。「ネクロポリス」はすごく読み手を選ぶ『くせ本』だと思うんだけど、だからこそ。
他の方が勧めてらっしゃる中でアタシが徹夜した本は
-富士に立つ影(白井喬二)
-麻雀放浪記(阿佐田哲也)
-シンセミア(阿部和重)
-ツバメ号とアマゾン号(アーサー・ランサム)
-マイナス・ゼロ(広瀬正)
*1:でも図書館を利用すべきって意見や、本を読む時間がないってのは言い訳で時間は創るものってのもまったくアタシの持論まんま