ビート・キッズ

今春映画化の一応話題作?なのかな?http://www.kansai.com/beatkids.do
高校生が主人公で岸和田のだんじりが出てくるとか、ブラスバンド部の話らしいとか、なんか聞いた事あリ過ぎな話だなあと地雷の匂いが・・・。現役の高校生バンドが映画にも出演してデビューするとかその曲が既に各所でプッシュされててあちこちで流れてるし〜。
でも、なーんか気になるのも事実で、先日チラッと検索してみたんだけど試写会で見た人の評判はかなり良さげなのよね。
で原作本

ビート・キッズ-Beat Kids

ビート・キッズ-Beat Kids

たまたま古本屋の100円コーナーで見つけたので買って来て読んだ。
あれれ?同人くさくないかい?と思ったら作者の風野潮さんはコミケにファンタジー系の創作同人で参加してる方だった。
メインの2人のキャラ設定もかなり血中少女マンガ度数が高い。

・横山英二(よこやまえいじ)
アホやし、運動神経もないけど、リズム感だけはバツグンなんや。やさしいて、それにけっこう、男前。
・菅野七生(かんのななお)
音楽センスは天才的、成績優秀、超美形と憎たらしいぐらいカッコええけど、性格は、ほんまに憎たらしい。

原作は中学生の話?と思ったら続編もあってこっちは高校が舞台らしく両方を合わせて映画用に書き直してあるみたい。そいで七生の役が女の子に変わってるのね。えー?これは男の子同士の話なのがキモなんじゃないのかしら?
方言(関西弁)で書かれてることで独特のテンポがあってなかなか読ませる。だけど、同じく方言で会話する少年達の小説バッテリー (角川文庫)あさのあつこ)に今熱中しているせいでどうしても比べてしまいこちらには分が悪い。バッテリーの方がすごすぎるから比べるのが酷なんだけどさ、片方が優しくて、もう片方が美形で性格が悪いってのも一緒だし、同じ時期に読んでしまったのが悪かったのか・・・。*1
なんと言っても性格のまるで違う英二と七生が惹かれあう理由がもう一つ描きこまれて無くってここが弱いのが致命的。
でも映画にしたらここは見どころになるだろうと思えるシーンがいくつもあるし、飲んだくれのダメ親父を豊川悦司が演るってのもちょっと興味がある。あんまり好き過ぎる原作モノの映画化って思い入れがありすぎてガックリ来ることが多いし、このくらいの方が映画化は楽しめて良いのかも。続編の高校に入ってからのストーリーは英二がロックバンドを組む話らしく、バンドメンバー達のキャラ設定も中々楽しげ。映画は観てみようかと思います。

*1:バッテリーが第35回野間児童文芸賞ビートキッズは36回の同新人賞。最近の児童文学の主流にこんなにBL系が浸蝕して来ているとは・・・