田中一村展

横浜そごうに行ってきました。
すごーくすごーく良かった!
アタシが一村を知ったのもほんの数年前なんだけど、本物の一村の絵を観たのは今回が始めてで、これが想像以上に素晴らしく、感動って簡単に言葉にするのが何だかはばかられるくらいに圧倒的な絵のパワー。構図の素晴らしさはある程度画集などでもわかるんだけど、実際の絵は背の高さくらいあるような大作が多くて頭ではわかったつもりでいても目の前に並ぶとまず大きさに圧倒され、更にそれらの作品が、柵などもなく至近距離でじっくり見られて、それこそ数センチくらいの距離でためすがめつ眺めてきましたけど、もう絵の具の質感などやはり生でしか味わえないのよね。当たり前だけど、やっぱり生はすごいすごいすごい〜!!!
何これ?この人って何者?って最初に一村を知った時の数倍の感動が!

奄美にある田中一村記念館でも複製しか見られないと言う、一村の最高傑作で彼自らが「エンマ大王への贈り物」と言っていたと言う「クワズイモとソテツ」「アダンの木」(どちらも個人蔵)が見られたのが本当に嬉しかったです。
一部複製も展示されていると聞いていたので、心配していたのだけど、この2枚を見られただけでも忙しい時間をやりくりして横浜そごうまで行った甲斐がありました。
図録等買って帰りのバスで見ていたのだけど、これだけの画家が生前全く世間に認められることなく、初めての個展が死後3年してから奄美で生前懇意にしていた方*1の尽力でやっとのことで開かれ*2、それをきっかけに少しずつ評価が高まってってくだり*3、以前から知っていたけれど一村の絵を見た後だと胸に詰まってこみ上げてくるものを止められずつい泣いてしまいました。バスの中でヒックヒックやってるなんて恥ずかしかったけど止められなかった・・・。

これから全国巡回するので是非これは見たほうが良いですよ。ていうかこんなすごいもの知らないでいたら絶対損だってば。

*1:奄美在住のおみやげ用の焼き物工房をされていたM夫妻(特別な財力があるとか美術に深い造詣があるとかじゃなくごく一般の市井の方だったようです)

*2:それも3日間だけだったそうですが

*3:やはりNHK日曜美術館で取り上げられたのが世間に知られるようになったきっかけなんでしょうね。