ビバ!時代劇〜天下御免〜三谷幸喜〜新選組!

アタシが子供の頃NHKの時代劇で「天下堂々」天下御免」ってかなり型破りなドラマがあって、アタシはこれが大好きでした。脚本は早坂暁山口崇が平賀源内役で主人公、そこに架空キャラの戦国の世にあこがれる剣の達人・小野寺右京之介(林隆三)、義賊稲葉小僧(津坂匡章のちの秋野太作)が絡んでの三人組が実に良くって*1反体制的なものが底辺に流れつつ(早坂さんが元来そういう作家ですから)今は亡き坂本九杉田玄白役で出てたなあ。若い出演者が活き活きと活躍する青春群像劇的なドラマだったと30年以上前のものだけど、かなりはっきり記憶しています。水前寺清子がナレーションを講談調でやっていたり、公害ネタや長崎の混血児の子達の人種差別ネタも盛り込まれていて、演出も当時としてはすごく斬新で、当時のホコ天でロケしたり*2、早回しの演出シーンがあったり*3ラストも史実では獄死したはずの平賀源内が実は気球で海外に旅立っていった。てな破天荒なもので、当時小学生だったアタシはこの番組の放送時間を本当に心待ちにしていたのでした。

それからずーっと年月が流れ、ある時TVを観ていたら「天下堂々」天下御免」とどこかで似た匂いのするドラマを見つけました。それは三谷幸喜脚本の「竜馬におまかせ!」でした。その後彼のエッセイを読んで「天下堂々」天下御免」がずっと好きでそこから竜馬に〜を書いたと知り、ぐっと親近感が三谷幸喜に対して芽生えたのでした。その後も「今夜、宇宙の片隅で」はビリー・ワイルダーだし、「HR」はアイラブルーシー等のシチェーションコメディだし、アタシとバックボーンがかぶりまくりだよなあ〜ってずっと思ってたのです。キネマ旬報での和田誠との毎回一本の映画を取り上げて語る連載対談*4で取り上げている作品や、面白がっている部分もやはり重なる部分が多くて、ヒットポイントがこれだけ近いんだから当然彼のドラマもかなり好きだったのでした。
最近磨耗してる?とかもちょっと思うんだけど、(年末の「川、いつか海へ」もちらっと見ただけだけど、どうもピンと来なかった)ま、香取くんは結構好きだし(ちなみに彼のマイベストは「ドク」です。あの時の香取くんがアタシの元彼に見た目が似てるつー不順な動機ではありますが)幕末大好きで大河ドラマ好きな夫と歴史好きで坂本竜馬大好き、最近時代劇に目覚めた娘がいるんで、まあ一緒に観るかい?って感じで観ました。
(やっとココから感想、前振り長過ぎだよ>アタシ)
若い出演者メインの大河がここ数作続いているんだけど、去年も一昨年も途中でリタイアしてしまったのだけど、今回の第一話は最初主要人物紹介的に京都での新撰組の御用攻めシーンから初まって数年前の江戸に戻るって脚本はありがちだけど、上手いこと書いてあって良かったと思いました。
上手いと言えばこれだけの出演者を第一話でほとんど総出演に近いくらい出していて、ワンシーンずつくらいしか出てない人も多いのに観てるとちゃんとキャラが立つようなセリフだったり、シチェーションだったりで、この人はこういう位置付けなんだなーってのがおおよそ判るようになってたのはちょっと感心させられました。腐っても(オイオイ!)さすがは三谷!
斬っても血が掛からない斬り方〜とか、羽織を間違えてるとか、「殺すな生け捕りにしろ」とか。
まあ三谷脚本でのお約束的な筒井道隆は又おぼっちゃまなのねー。とか、戸田恵子、八島智人、大倉孝二あたりもみんな「いかにも」な感じではあったんだけど。
土方の山本耕史は儲け役だよねー。あれはファンにはたまらないことでしょう。つかファン増えそう。
幾松の菊川怜はルックス的にはアタシのイメージにはピッタリなんだけど、問題は演技・・・(苦笑)優香も前評判ではたたかれ気味だったようだけど、第一話の近藤の無事を聞いてにっこりする表情はとても良かったと思う。やっぱ可愛いし。もっと出演シーンが増えるとどうなるのか、それは観てみないと。むしろ、おりょう役の麻生久美子がまだ良さが出てないことない?
藤原竜也くんアタシは良かったと思います。無邪気な残酷さの奥に屈折したものが見え隠れとまで言ったら誉めすぎですかしらね。去年オイルで観た印象もさほど悪くはなかったし、彼も実は舞台の人。山本くんも舞台やってるし何気に舞台で活躍してる人が多いのも今年の大河の特徴なのですよね。そうそう!近藤の妻役の田畑智子ちゃんも去年「ニンゲン御破産」で観てすごーく良かった!ともかく声が良いのだ。舞台で映える良く通る声であれ以来すっかりご贔屓の女優さんです。

とりあえず佐藤浩市芹澤鴨野田秀樹勝海舟が見たいのでもうしばらくは見てみるつもり。あ!伊藤四郎もでした。

*1:なんだかルパン三世の3人と通じるような(偶然ですけど、同じ71年制作)雰囲気があったのよ。

*2:時代劇なのに!

*3:木更津キャッツアイのルーツここに有り!?とか勝手に思ったり

*4:「それはまた別の話」ISBN:4163534008「これもまた別の話」ISBN:4873762316ている