夢日記【アートを売る】

商店街のさえない路面店で売り子のバイトをする。すぐ近くに電車の線路があり、踏み切りの音がひっきりなしに聞こえてくる場所。店員は一番年少でハタチ前後くらいなアタシとまるでやる気のなさそうな青年、三十路手前のサバサバしたお姉さん。髭で人当たりの良いオーナーは少し松尾スズキに似ている。
アタシ達が売っているのは主に地元のアーティストの作品で版画や貝殻や石、卵の殻などを使ったオブジュ。店はギャラリーとはとても呼べない昔の駄菓子屋みたいなのだけど。開店早々に小さな版画が一枚売れる。18000円。オーナーに接客が上手いと誉められていい気分になるがその後の客に勧めたカレンダーが展示品限りだったのに気が付かず、叱られてしまう。
そのまま何も売れず時間が過ぎ、夕方となって西日が店の中に強烈に差し込む。非常に暑い。先輩のお姉さんはうめくように客への呪いの言葉を吐き青年は自分のいる場所が西日に当らないようにシャッターを一枚閉めてしまう。
こんな店ではもう何も売れるわけがない。何でこんな店に勤めてしまったのかと焦燥と後悔でジリジリとしているアタシ。