ハイになるまで

多田由美さんの傑作選(河出書房九龍コミック「灰になるまで」2002年4月発行)を買った。
今回出たのはもともとのブランキーの写真集とコラボになったものではなくて
(そっちは絶版。頼み込むで再版交渉してはいるものの、難航中だそうです)
あくまでも多田さんのマンガのみ。ブランキーの写真は載っていない。
そして収録作品も連作以外のものも含まれてる。

彼女はもともと洋楽ファンでブランキーのファンだった訳でもなく
あくまでもお仕事の企画としてブランキーの曲と同タイトルの連作を描かれた
ということは知っていたのだが・・・。
多田さんの傑作選はこれが4冊目で、今回のテーマは「ロックンロール」とのこと。
読んでみての感想は、一言で言えばカッコイイ〜!

なんつーか痺れた。していえば山岸凉子の「グリーンカーネーション」とかあの辺の世界に近い匂いを感じた。乾いてるんだかウェットなんだか?の不思議な空気感。(多分両方なんだろうな)冷たいんだか温かいんだか良くわからない、でも決してぬるくないヒリヒリした世界。

多田さん自身がどの程度ブランキーを意識して書いたマンガなのかはわからないし、解説にはタイトルが同じなだけでブランキー節とは無縁・・・。
となってるけど、アタシにはブランキーの曲がバックで流れててもなんの違和感もないように思えたな。

彼女の描く登場人物達はみんなブランキージェットシティーの住人でもあるように思えてならない。

傷つくことを知ってる人達。それを多田さんは淡々と描いているようで根底に登場人物への愛を感じるんだよね。

このコラボの企画をしたのは当時のASUKAの編集者なのかしら?
多田さんとブランキーの両方の本質をわかってるって感が強いのだけど。

未読の人は読んだ方がいいと思うよ。

ところで、どうして多田さんはお仕事殆どされなくなちゃったんでしょうね?

ご本人のHPでも「仕事下さい」とか言ってらっしゃるのに・・・。
そしてHPの日記を見ていたら「スパイダーマン」を見てきたら子供に自分ばっかりズルイと言われたとの記述が・・・。

多田さんもお母さんなんだね。ちょっとびっくりした。