ゴールデンスランバー ネタバレあり

yukodokidoki2010-02-04

各所で賛否両論評価が真っ二つに分かれているこの作品ですが、アタシも原作読んだ時は正直これはナイだろ。って気持ちが拭えなかったのでマイナス評価な方々の意見もわからなくはないです。
や、原作読んだ時から判ってはいたのよ。
これはミステリーつーかサスペンスの体裁を取ってるけど、一番の主軸は学生時代の友人や恋人との心の結びつきで、それを一番書きたいんだろうなってことは。でも原作読んだ時はどうしても主人公の追いやられる境遇の理不尽さにばっかり気持ちが行っちゃって、モヤモヤした気持ちを拭い去ることが出来なかったのだけど、映画だとなんでだかあんまり気にならなかったのよね。
その一番の理由はキャストだと思うんだけど、アタシには原作以上にチャーミングに感じるキャラばっかりでした。濱田岳くんなんてホント良かった。この子はいい俳優だよね〜。今までの彼の演じてきた役とは全く違う役だったけど、こーゆーのもやれる子なんだと嬉しい発見。
以前堺雅人が主人公ってイメージ違うなんてことを書きましたが、いやもうホント申し訳ない。最高でした。この主人公ってただただ必死に逃げて逃げて逃げまくる役なんで、普通の俳優さんが演じたら不屈の闘志を持つ熱い男みたいになりかねないんだけど、青柳ってのはそんな男じゃないのよね。原作でも描かれてたんだけど、つい境遇ばかりに目が行って、そこがちゃんと読めてなかったみたい。堺雅人の青柳を見て、そうか、こういう男だったんだ。ってやっと理解出来た。学生時代の恋人で嫌いになったわけじゃないけどなんとなく別れちゃったモトカノって設定の竹内結子もそりゃほっとけないわな。と。で、その竹内結子の現在のダンナ役が大森南朋なの。ちょっとしか出てこないすごい勿体無いようなキャストなんだけど、原作で青柳ほどかっこよくないけど懐の深そうなって描写が確かあって(記憶で書いてるのでニュアンスは違ってたかも)この映画で堺雅人は主人公だからずっと出てるわけだし、当然非常に魅力的な人物像に描かれてるわけじゃない。でもさ、なんで堺雅人を振ってこんなのと結婚したんだ?って観る人に思わせたらダメなのよね。不倫的ニュアンスが出てきたら違う話になっちゃうから。そこで、大森南朋なんですよ。この絶妙さ。ホント素晴らしい。
主人公の宅配ドライバーの仕事の先輩役は原作読んでる時から脳内キャストは怒髪天の増子さんだったんだけど、絶対似合うと思わない?勿論実際のキャストの渋川清彦も良かったんだけど。
あと、吉岡秀隆が学生時代の設定でヒゲ生やしてるんだけど、これが反則じゃん?て位に似合ってて、ちょっとクラっと来たことを告白します。まさか吉岡秀隆に一瞬でもクラっと来るなんて・・・夢にも思わなかったっす。

ラストで流れる斉藤和義の曲が超絶カッコイイ!


伊坂は元々せっちゃんの大ファンでデビュー間もない頃まだサラリーマンと作家の2足のわらじだった頃、編集さんには売れるかどうかわからないからまだ会社は辞めるなと言われてたのに、せっちゃんのこの曲を聞いて作家1本で行く決心をしたんだよね。

つべにも上がってるけど映画館で聴いたのはなんか格別でした。

このライブ映像やたら高画質なんだけど、これって何?