ずーっとコドモ(萩本欽一考)

結局欽ちゃんて人は未だにコドモなんだよなー。
アタシはコント55号が一番面白かった頃をリアルタイムで体感してる世代なんでありますので。
ホント55号は本当にすっごく面白かったんだけどね。
欽ドンはラジオの企画をTVに持ってきただけなのでアタシはあんまり評価してないんだけど。

55号のコントは狂気の世界にいる萩本欽一が我々と同じ世界にいる坂上二郎にツッコミまくるわけで、二郎さんはめちゃめちゃに翻弄されて、いいように振り回されるんだけど、それでもなぜか欽ちゃんが憎たらしくは見えなくて面白かったんだよなー。

いわゆるボケとツッコミの定番とは違うのが新しくて面白かったのだと思う。欽ちゃんはチャップリンが大好きなようだけど、あの狂気っぷりはむしろマルクスブラザーズに近いものを感じるのはアタシだけかなあ。

そいでもって欽ちゃんがシモネタを非常に嫌うのは彼の潔癖さもあるのかもしれないけれど、アタシには彼の小児性の表れのように思えてならない。
なにしろ萩本欽一くらいセックスの匂いのまったくしない芸人も珍しいじゃない。セックスどころかオナニーもしてなそうに思えるもん。(あはは!)
シモネタはやらないんじゃなくて出来ないんだってこと本人がどのくらい自覚してるのかわからないけど。

コント55号はかつてTVで野球拳をやって(コント55号の裏番組をぶっとばせ!1969〜1970)俗悪番組として非難ごうごうだったけど、あの時だって二郎さんはともかく欽ちゃんは全然嫌らしくなくってスケベが似合わない人だったので。結構ませた子だったアタシだけど、全然嫌悪感なかったもんなあ。(当然野球拳は真似しましたよ!)

そう言う小児性からコント55号の狂気の世界をのぞき見るとすごくしっくり来るんだよね。

欽ちゃんが大将と呼ばれてるってのもガキ大将の意味だと思えば納得だし。

この人が年取ってもずっとコドモなんだから。普通はそれじゃ済まないんだけど、芸能界は特殊な世界だからねえ。

欽ドンとかの企画を当ててしまったのでカリスマ扱いされちゃってるけど、それほどのモンかなあ。

コントがつまらなくなったのは動けなくなったってことも大きいかもしれないけどそれだけじゃない気がする。年取っても小児性がそのままってのはグロテスクでしかなくって、そんなのじゃ笑えないものねえ。

若々しくて元気で一番新しかったはずの人が老醜をさらしてるのを見るのはそれだけ自分も年取ったってことなんですけど。