一人づつ出演者に付いてコメントしてみます。

中川晃教:中川くんは日本のミュージカル界に忽然と現れた新星との呼び声も高いらしいんだけど、なるほど素晴らしい声&歌唱力。歌の表現力が凄いのなんの。ただ上手いだけじゃなく歌で心を伝えることの出来る人ですね。いわゆるハンサムとは違うと思うんだけど、(ああ、アタシってばファンを敵に回すようなこと書いてるかなあ、やアタシは嫌いじゃないですよ。サル顔つーか、ドラゴンボールのくりりんに似てるよね・・・ってますます墓穴を掘ってる?)舞台を見てると引き付けられて段々可愛く思えて来る。華があるし、ますます人気が出そう。こういう声こそエンジェルボイスと言うのかしら?美しくて、力があって、のびがあって、声に幅があって、艶があって・・・。なんかアタシってば大絶賛しておりますが、ミュージシャンとしては所謂美声はあまり食指が動かなくって味のある声の人が好きなんですよ。だから中川くんの音楽活動の方には興味持てないし。でも今回の舞台ではまず彼の存在があってこの脚本が出来たと言うくらいのあてがきでピッタリだったと思います。

上川隆也:上手いのはTVで観てるだけでも良くわかるし嫌いじゃないんだけど、キャラメルボックスのことをアタシどっかで食わず嫌いしてるみたいで舞台で観たのはこれが初めて。熱心な女性ファンが多いの納得。ハンサムだし、カッコ良いし、演技は上手いし、堅物そうなのに、ちょっと天然の入ってる感じがたまんないんだろうな〜。
苦悩するハンサムってこんな美味しいものはないですよね。今回はドンピシャ!そーゆー役でこれまたピッタリ。歌も予想以上にお上手でした。声が良くて通るし、役者としての表現力が上手く歌にも応用出来てるって感じ(偉そうだなアタシ)役者さんの歌って上手くなくても味があるってことが多いんだけど、上川さんの場合は上手くないってレベルではなく一応お上手なので器用貧乏っぽくなる危険もあるんだけど、今回の役柄の生真面目なキャラには凄くあってて良かったです。お芝居でアタシがドキン!と来たのはラストの復活してはらいそに行くところ、寸前まで高橋由美子の寿庵を胸に抱いての熱演だったのに後ろに魂が抜けるように静かに倒れて(ここのシーンも何気に凄い!棒のように倒れるのに優雅でキレイなんだもん。上川さんの身体能力ってば相当なものと見ました)起き上がって後ろを向いて階段を上がっていくシーン。前の方のややセンターサイドの席だったので一瞬表情が見えたのだけど、冷たく血の通っていないってことがわかる表情していて。大部分の観客は後姿しか見えてないのにね。このときの表情が結構好みだったので、今度冷たいニヒル&クールな役もやって戴きたいな!とか思ってしまいました。きっと悪役も良いよね。熱血漢の優等生的な役が多いけど、そうじゃない役も出来る人だと思いましたよ。

高橋由美子:すっかり忘れてたけどアタシアイドル時代の高橋由美子大好きだったんだよねー。南くんの恋人良かったよー!いい舞台役者になりましたね。去年みた野田MAPでの役は彼女は悪くなかったんだけど、高橋由美子の魅力が充分発揮出来た役かどうかはちょっと疑問符だったので、今回は大満足。歌も上手いのなー。良く通る良い声をしているのは舞台では得がたい資質だと思います。四郎に「満月よりも欠けた月が好き。弱いあなただから好きなのです」と歌うシーンは今まで観て来た舞台ドラマ映画ひっくるめてのmy心のベストラブシーンにランクイン!です。

江守徹:歌が危なっかしいとの評判だったのですが、なんのなんの!全然大丈夫だったと思うです。(東京公演の時よりお上手になられたらしいのですが)誰にも真似できない独特の味があって。べらんめえ調の台詞回しに痺れました。一応悪役キャラなのだけど、実に魅力的なキャラクター。松平伊豆にとっては方法は問わず戦乱の火種を絶って安定&平和を作ることが彼にとってのいわば正義なんですよね。や、「仕事」でした。「いい人なんていわれるほど落ちぶれちゃいない」ってくらいだから正義とか悪とかそんなのは超越してるんだよね。大体私利私欲のためにやってることじゃないし、だからって幕府の為とか将軍の為って感じもあまりなくってとにかくスケールでかいの!アドリブ合戦かなり楽しそうでしたよね。江守さんもキャリア凄いけどこれだけ若い客層で熱い声援を受けることってそうはないと思うのでご本人も楽しんでたんじゃないかと。若いお客さんの中にはバラエティでダウンタウンとかに突っ込まれてるオジサンってイメージしかない人もいたんじゃないかと思うけど、アマデウスでの染五郎の前のモーツァルトをやっていた江守徹を見てる人間からしたらどんなもんだい!って気持ちもちょっとありますので。ちなみにこのトニー賞を取ったピーターシェファーの戯曲「アマデウス」を日本で翻訳したのも江守徹ご本人です。

アマデウス

アマデウス

今回の舞台SHIROHの(天から与えられた力を)持つものと持たざるものってテーマはアマデウスとも重なる部分があるし、ご自分で戯曲も書く人なので今回の脚本の面白さは充分に充分に感じて楽しんでるんだろうな〜ってことがビシビシ伝わってくる舞台でしたね。

秋山菜津子:この人の舞台は結構観てるのですけど今回がアタシが今まで観た中でベストアクト。ただただ素晴らしいの一言!そして歌上手過ぎ!パンフレットにケラが書いていた「小劇場の女優のレベルではない」が全てを物語ってます。ケラの企画したアルバムにも参加してるとか?

so nice!!

so nice!!

ケラプロデュースによる,ボサ・ノヴァフレンチ・ポップスのコンピレーション盤らしい。犬山犬子も参加してるしこれは買い!だな。
ラストのはらいそに行くシーンで秋山さんも白いキリシタンの衣装を着てるんですよ。それ観ただけでうるうる・・・。