センスを疑う

yukodokidoki2004-12-05

昨夜の「美の巨人たち」。昔大好きだった大正モダニズムの画家古賀春江の「海」を取り上げていたので久しぶりに観た。
しかし相変わらずとってつけたようなドラマ仕立てのサイドストーリーが昨夜は特に酷かった。
田舎から出てきた女の子が挫折して大学を辞めて水商売で働いてて、田舎の母親はそれを知らないでいるんだけど、彼女はある夜酔って母に電話してそれを衝動的に打ち明けてしまう。母親から心配する手紙が来て、それの返事でもう一度この町(東京)でやり直してみます。でもその前に一度母さんに会いに帰っても良いですか?だなんて通俗の極みみたいなおよそ出来の悪いミニドラマの一体どこが古賀春江と繋がるのかが全くもってわからない。古河の飼っていたブルドッグと都会で暮らす女の子の孤独をなぐさめるのがペットのブルドッグってことで繋げてるみたいなんだけど。なんだかなあ。
いつも思うけどこの番組はこんな意味のない中途半端なドラマなんか作っていないでもっとシンプルに画家やその周辺のことを紹介してくれた方がいいと思う。
晩年の古賀と交流のあったと言う川端康成の「幼心の郷愁」と言う古賀評は納得出来るものだったし。考えてみると川端も同じような資質があるよねえ。
【注】古賀春江は1933年に亡くなっていますので既に著作権は切れておりこのように画像を個人が載せることは問題ないはずです。
参照http://www.ne.jp/asahi/art/dorian/L/Lists/Useage.htm