8月の最後の日

夫は釣り、子供たちは公園へ出かけた昼下がり。

冷夏とはいえ、西日の入る部屋でエアコンも付けずにいれば
午後にはじんわりと汗ばむ熱気が部屋の中を満たす。

窓の外からは短かった夏を惜しむかのようなセミの鳴き声。

一人でいるのが一番気楽な自分を再確認するそんな時間。

昨日録画したビデオテープを再生する。

繋がれたステレオのスピーカーからイカシタ音楽が流れ出す。

TVの画面に映し出されているのは狂った天国のロケンロールを鳴らす4人のモッズスーツの男達だ。
WILD WILD SABRINA HEVEN TOUUR 2003 6/14 at Zepp Tokyo

居間に続くキッチンの網戸にセミが止まり、ひときわ大きな声で鳴き始める。

ステレオのボリュームをさらに上げてもセミの声はかき消されることなく、部屋の中に鳴り響く。

それはけして不快なものではなく、スピーカーから流れる轟音と混ざり特別な夏の終わりのセッションを繰り広げている。
その音の中に溶けて行く自分。

THEE MICHELLE GUN ELEPHANT 10月11日解散。